柳の下に美女が立つ「地ずれの柳」

~京都の怨霊・魔界・百鬼夜行を伝説とともに歩く~柳の下に美女が立つ「地ずれの柳」

柳の下に美女が立つ「地ずれの柳」

大きな柳の木である。枝はゆたかに長く。

地面をはっているところから、人呼んで「地ずれの柳」。

同じ境内の、京都のど真ん中の位置を示す"へその石"と並んで六角堂・紫雲山頂法寺の名物の一つでもある。

古くから「縁結びの木」として信じられている。

「西国札所観音霊験記」にはこの信仰の由来が、嵯峨天皇にはじまるとも。

嵯峨天皇は六角堂・本尊如意輪観音菩薩を深く信仰していた。

本尊は聖徳太子の護持仏で、身のたけ五センチ。六角堂創建とともに安置された観音さまである。

天皇には、この観音さまに一つの願いがあった。

「容姿美しく、心ばえもまた世に類なき女性を妃として与えたまえ」

祈請して、さて、何日たっだろうか。

ある夜、天皇が眠っていると、にわかに観音さまが夢枕に、たたれて、

「六角堂の境内に勅使、差し向けるならば、御堂前に枝を張る柳の木の下に、一女のたたずむを見ん。

この女を宮中に入れるべし。夢ゆめ、疑うことなかれ」

天皇はぱっと目がさめた。

あたりを見渡すと、もうお姿はない。

「不思議なことよ。。。」

それでも、朝になるのを待ちかねて、勅使を六角堂に差し向けた。

すると、一人の女が柳の下に立っているではないか。

しかも、なにもかもが夢告の通りである。

天皇は観音さまのお引き合わせと、早速、妃にするのだった。

そして、日を追うごとに寵愛が深まったのは言うまでもない。

驚いたことに妃は薫香など身にたいたこともないのに、いつも美しいかおりがただよい、如意輪呪を唱えるのが日課、人々からもあがめられたのだった。



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